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廓日記 その伍

「廓日記」こちら側だけの興で続けていましたが 
「つまらねぇ~」と誰も読んでいないのかなぁ?読者も離れたのかな?と思い 暫く休憩するつもりでしたが
なんと リクエストが有ったのです。一人でも読んで しかも共感していただけるなら 続けるほかありません。

怪談噺をマンホールに掛けたところまで話しましたが、
人間の耳ってよくできているものです。
引っ越して2晩は眠れなかったのですが 3日目にはCも勘春も熟睡です。
騒音も発生者を特定できれば いつまでもその発生者を恨み長続きするものですが
発生者を特定できず その恨みを持っていく相手が居なければ 人間諦めの境地です。
マンホールを踏む車の運転手は人間ですが彼が悪いのではありません。
しいて言えば この状況を放置している長崎市役所が悪いのですが
当時の公務員 突発的な仕事に対処できる能力(気持ち)は在りません。
3日も経てば諦めが付きます。

ここ元廓屋敷での生活をお知らせしましょう。
当然のことながら 普通のアパートとは違います。
住民は歓楽街の端ですので 殆どが水商売の方です。
しかも 6~8帖の間借りです。単身者が殆どでしょう。
そんななか 1組夫婦に幼い子供の家族が入居されていました。
その部屋がどこなのか どのような間取りかは分からづじまいです。

昼間も夜も 静かな廓屋敷です。
でも 夜12時過ぎると子供の声がしてきます。
母親は水商売 この時刻に帰ってきます。
宵の口に一寝入りして 大好きな母親が返ってく頃 目が覚めるんです。
毎日午前0時過ぎ タタタタと傾いた階段を駆け上がる音がした後
ギィ~バタン。(扉の開いて閉じる音)
ここは元廓 部屋の入口は引き戸(襖)だったのでしょうが アパートにするとき防犯上の理由でドアに改装したのでしょう。

女「ただいま。あらぁ~〇〇ちゃん まだ起きてたの。はい おみやげ」
夫「さっきまで寝てたのにこの時間になると起きるんや」「子供はさっさと寝ろ」
女「いいじゃないの まだ学校行ってる訳じゃないし。ねぇ~〇〇ちゃんも甘えたいのよねぇ~。こっちおいで、何食べる?」


殆ど毎日の如く おみやげ付です。
このおみやげが目的なのか 優しい母親に抱かれるのが目的なのか 多分両方なのでしょう。
母親は 客の手を付けなかったフルーツとか 
スケベ親父が「もう店閉めて 飯食いに行こう」
「そぉ、じゃあ店閉めるね。ごちそうさま」
寿司屋に行って 2・3摘まんで
「あのぅ~。お土産の折り詰め貰っていい?」
あぁ、いいよ」(スケベ親父は ケチと思われたくないので カラ意地をはります。内心は はぁ~今日も食い逃げかい)

この「折り詰め貰っていい」これほど 水商売の者にとって便利で最強なバリア台詞はありません。
この「折り詰め・・・」の台詞の裏には 
1:私には 私を待っている子供・男・家族がいるんだ
2:もう、私は 帰るぞ
3:これ以上 私に 近づくな
これらの意味が 全部含まれているのです。(分かっていても男はバカなんです)

一寸脱線しました。話を戻しましょう。
夫「喰ったら さっさと寝ろ」
女「いいじゃないの。この子は 私に『お帰りって』って言ってくれた。可愛いい。あんたは何にも言わなかった」
夫「・・・」
子供は おみやげを食べたい、それ以上に大好きな母に抱かれて 甘えたい。
本当は 夫も 子供以上にこの母(愛人)に甘えたい。

こんな状況が 毎晩繰り返されるそんな元廓屋敷の夜でした。

(注釈)
部屋の入口は ドアに改修さていますが 造りは日本家屋、防音効果なんてありません。
とわいえ、壁もあります、そんなに聞こえることはありません。
私も 聞く耳立てて聞いてるような趣味はありません。
女が階段を駆け上がりドアを開ける音までは聞こえますが その後の話しは全部私の想像。創作の世界です。
この つぶやきは特定の人物場所を特定するものではありません。これは フィクションです。

 
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