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廓日記 その拾伍

私とCとが その元廓屋敷に引っ越しして かれこれ2・3か月になろうかという 午前のことです。
3階から バタバタと階段を鳴らして下りてくるもの。あの足音はCに違いありません。
他の住民は みんな静かなのに 無粋な奴です。
私の部屋のドアを 勢いよく開けると
「出た!出た!でた」
「何が 出たんや?」
「だから、出たんや」
「落ち着け、何が出たんや」
「のみ。ノミ。蚤が出たんや」
「はぁ~。ノミ?雌猫でも連れ込んだんと違うか?」
「そんなもん。連れ込むかいな。蚤が出たんや。畳から蚤が出たや。お前のとこは?」
「蚤なんて 小さい時猫を飼ってて その蚤を執ってやったことがあるが それ以来見たこともない」
そんなことを話していると 畳からなにか跳ねるようなものが????
なんだろう?と見てると また ピョコン。???
其の落下地点を 見て見ると 昔飼い猫から取ってやった 見覚えのあるあのです。
出た~あぁ~

「おい。今日はパチンコ行く前に薬局や」
薬局で「DDT下さい」(←DDT 懐かしい名前です。師匠ぐらいしか知らないでしょう)
DDT?なににお使いなさるので」
「ノミ、蚤の殺虫です」
「へぇ~猫の蚤?」
「いえ、家の蚤」
「家の蚤?また珍しい。まだ生きてんだ。でも、残念ですがDDT効き目が強力すぎて販売禁止です」
「そんなぁ。何か代わるもんありませんか?」
ということで 我々 バルサンの燻製殺虫剤を買って帰り 燻攻めです。
古い木造建物です。火事にならないよう待機し、その火が完全に消えたのを確認してから
その日は 学校です。ひとしきり学業に専任して Cと帰宅です。
これで蚤も全滅やろうと ベッド腰かけてCと話していると 足になにか当たったような気がし
畳に目をやると 「出たぁ~~
蚤は 畳の奥深く避難してただけです。

私とCは 数日分着替えだけを持って 友人の部屋に蚤疎開です。
私の疎開先は 当時長崎で2番目に汚いと言われていた友人の部屋です。
当時 長崎で1番汚かったのは 彼の家の前の廃品回収業の方の家でした。今でいう ゴミ屋敷です。
因みに 私とその2番目に汚い部屋の彼と その1番汚い家に行き ビールを飲みながら
8mmの上映会を二度ほど開きましたが、それでも 蚤を見ることはなかったのです。

我々の部屋は 引っ越し後 必要以外の段ボールは開くこともなかったので 汚れようがありません。
それでも 蚤が湧いた。
あの1番汚い家にも 2番目に汚い部屋でも蚤はいなかったのに なんでぇ~?

今にして思えば あれはあの元廓屋敷の代々の住民?いやいや幽霊たちが
アノ餓鬼共 此のままにしておけば夜の闇に溶け込んでしまい、卒業出来ず そのまま夜の蛾になるのを止めるために
蚤に化身しての芝居だったのかもしれません。

私とCが なんとか卒業できたのは あの蚤 いやいや優しい幽霊たちのお蔭だと思っています。

廓日記本編の終了です。
ただ もう1話 エピローグがございます。





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コメント

ノミオチ

勘春さん ←やっと変換せずに1番に出てくるようになりました( iPad)。
登録しないで何回目で出てくるか実験していたのです )^o^(


確かに出ましたね〜
愉快ですね〜

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