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裏くんち始まり

大学1年か2年の秋の頃 我々「風流友の会」の連中は何の用かは忘れましたが
市内をさまよっていました。

こんな時 当然の如くそれぞれの口からでる台詞
「すがすがしい秋の夜、この夜を更に心で感じるよう 呑もうじゃないか」
「そうだ。そうだ。この秋を楽しまないのは もったいない。秋の夜には酒だ。酒だ」
「今日は どこで呑もうか?」
我々「風流友の会」は 外呑みが多かったのです。
秋の風情を満喫する、のが目的ですが、本当は店で呑むほど金がなかったのです。

「おい、今日は 諏訪神社の石畳で呑まないか。少しは月に近いじゃないか」
「おぉ、そうしよう。そうしよう」
と 諏訪神社の石畳に来たのですが、いつもと勝手が違います。
周りには 桟敷が出来ています。正面の石段には10数名の人が座っています。
なんだ?なんだ?
そうなんです。その時のメンバーに長崎の地の者が1名も居なかったのです。
明日が 「長崎くんち」だとは誰も知らなかったのです。
まあいいじゃないの、ここで呑もう。
明日 長崎くんちの踊場になる石畳に 円座を組んでの酒盛りです。
罰当たりな事ですが 本当に知らなかったのです。今では時効です。

秋の風を満喫しながらの酒宴も進んだ頃 石段に座っていた一人のおじいさんが
「俺も 仲間に入れてくれ」と入り込んできました。
袖すり合うもとか、呑兵衛は年代・性別を越えて友と言います。
「どうぞ、どうぞ。まあ一杯」
「俺は 俺の酒がある」
と出したのは ビニール袋。
その当時 コンビニ・スーパーの白い袋はありません。
透明な ビニール袋です。
その中にカップ酒一個と みかんが二個、つまみやお菓子が数個入っていました。
中が透けて見える袋の口を 束ねて手に下げてる姿、
その時、ちょっと寂しさを感じたのは 私一人でなく 仲間皆んなの共通の気持ちでした。

「おじいちゃん、ここにお酒とつまみをいれてるから、ゆっくり飲むですよ。風邪引かないようにね。
寒くなったら帰ってきなさい。気を付けてね」
と おばあちゃんから送り出されてきたのでしょう。
それを ほのかな家族愛と気づかず、寂しさと感じた我々 まだまだガキだったのです。

「それを 飲まなくても 酒は いっぱいあります。まずは 一杯」
酒宴は続いたのです。
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